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【30代会社員・2児のママ】30代ママの悩みや日々の気づきを、できるだけユーモラスにアウトプット。

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大好きな喫茶店

今年の春、ある商業施設の閉館とともに、

青春時代を過ごしたバイト先が閉店してしまった。

 

個人経営の純喫茶で、コーヒーがとても美味しい。

初めての人は入るのに勇気がいるような

少し怪しげな店内。

 

そして何よりも喫煙可。

どんなお客さんにも、最初のセットに

水と灰皿が含まれている。

 

ここで大学生の4年間と、

社会人になって出戻りした2年間で

計6年間は働かせてもらっていた。

 

古くからあるお店特有かもしれないが、

お客さんも常連客がとっても多い。

しかも皆んな変わっているというか、クセがある。

 

朝9時にお店を開けると、

常連さんがいつもの指定席に座っていく。

 

氷なしの水、ホットコーヒーのぬるめ、

モーニングトースト1枚だけ、灰皿は絶対おいてはいけない

みたいな、各人のこだわりのオーダーをこなしていった。

 

常連さんの1人に

タンバラさん(仮名)というおじさんがいた。

 

いつもしかめっ面をしていて、この世の不満を言ってる。

出会った当初は恐らく50代前半。

私の記憶ではちょっとガイコツっぽい方。

この人は骨だけにしたら、こういう形なんだろうな〜というのが

骨だけにしなくてもわかるタイプ。

 

ある日、

「本を買ってきたんだよ」といって

本がちぎれるんじゃないかくらい、

とんでもなく袋をビリビリにしながら出てきたのは

「婚活のススメ」みたいなまさかの婚活本!

 

あれま、タンバラさん婚活するんか。

というかなぜ見せてきたんだ。

興奮してんのか。

 

「へっ!えぇ〜、良いですねぇ新しい本!」

なんて謎の返ししかできなかった。

でもタンバラさんはこちらの事は基本聞いてないから

良いだろう。

 

でも、そこから本当に結婚して

奥さんと一緒に来てくれるようになったから衝撃。

 

しっかり新婚になってた。

 

駅とかで見かける、目を合わせてはいけない人、

みたいなタイプは

ひと通りご来店されていたかもしれない。

 

朝9時からコーヒー1杯で

15時過ぎまで、ずーっと窓から外を見ていたスーツの男性客。

「何かの張り込みかな?」とみんなで話していたら

店がいそがしくなってきたタイミングでいきなり失踪。

ただの食い逃げ野郎だった。

 

他にもいろんな人がいたな。

 

私はこのお店が本当に大好きで、

何にも気にしない(年収スキルうんぬん)

でいいのなら、ずっと働いていたかった。

 

閉店という、もう戻れないことが

なんだかひとつの時代が終わってしまったような

自分が歳をとってしまった感がすごい。

本当に歳はとっているが。

 

とりあえず今日もコーヒーを飲もう。